今月のガンガン感想

　え？　なんで先月分（３月号）の感想がないかって？
　それはだねお嬢さん、ギャグの感想ほど難しいものはないからだよ。君はギャグ漫画を読んで、理路整然と「ここが面白かったのはこうだからである」なんて解説できるかい？　自分のツボポイント・構図・コマ割・ネタ・話の展開を全て解説することは結構消耗するもんなのさ。己の感覚を信じ、直感と論理をすり合わせ、自身のマンガ論を引き合いに出しつつ、全力で評価する。それがギャグへの感想の姿勢だと、私は信じている。

　なになに、何故ギャグ漫画如きにそこまで力を入れねばならないのかって？

　ではギャグ漫画が好きなあなたと、ギャグ漫画が嫌いなあなた。どっちでもいいじゃん、とか思っているそこのあなた。しばし私の意見を聞いてくださいな。

　――「ギャグ漫画」。それは人を「笑わせる」ことに特化している漫画です。ただのコメディ漫画のように「面白い」と思わせるだけではいけません。人の表情筋を動かし、肩と腹筋を震わせ、床に突っ伏してのた打ち回るほどの笑いを提供しなければならない宿命を負っているのです。ギャグ漫画は思いつきでは描けません。計算し尽くされた策略の上に成り立つ、非常に高レベルなカテゴリの漫画なのです。
　笑えないギャグ漫画は、「笑えない」という時点ですでにギャグ漫画という存在ではありません。笑わせることに失敗したギャグ漫画は、ただの駄漫画です。クズです。ケツを拭く足しにもなりはしません。トイレにだって流せません。
　笑えるか、笑えないか。たった一本の線によって存在の肯定が決まってしまうのですよ。なんと厳しい世界なのでしょうか。
　ですから私は、たとえ小さなコマでさえ、全力でギャグを描いていない人を軽蔑します。

　だから。
　シリアスぶってるストーリー物描いてる奴が、「最近ちょっと暗すぎたなー、よーし場を和まそう☆」ってちっせえコマでギャグを描くな。大体だな、和ますだあ？　なんだその腑抜けた思考は。場の空気を破壊するくらいの心持ちで行けよ。お前ページめくりや見開きでギャグかましたこともねえよな、気概が足りねえんだよ！　破壊しろ！　和ますだなんて悠長なことを言うな！　シリアス物の中に突然ギャグ・なんてのはこちとらとっくの昔に慣れてるんだよ！
　しかもな、お前のギャグ、面白くない。なんでいっつもキャラとキャラの喧嘩なんだよ。それにその２人がそんなに仲悪くなってんのって、本編じゃなくておまけページの所為だよな？！　唐突すぎんだよ、もっとちゃんと本編で描写しろそういうのは！　大体ストーリー物としても面白くないのにギャグもつまんねえって、本当最悪だよお前！　正直キャラだけで持ってるだろ。だから腐女子向けとか言われて叩かれるんだよ、まあほんとの事だし別にいいけどさ。

　話脱線した。
　ええと、だからね。綾羅は☆野カチラが大嫌いなんだけど、灰色男は設定があれだけ面白いのにもったいないな、ていうのが結論です。

　……なんかヒートアップしてきた。予定変更。ガンガン感想はまた後日行います。
　てなわけで、以下からの文章は「D.G最高☆　星野先生天才ミ☆　キャピッ」っていうお嬢さんが読むと気分を害する可能性大です。でも私、「続きを読む」に隠したりしない。文字白くもしない。
　これは灰色男を本誌第一話から読み続け、今なお某掲示板のネタバレスレッドで来週分のバレを探して読むくらい追いかけている、綾羅という一ファンが書く意見です。盲目的にこの作品を愛してる人にこそ読んでほしいと思っています。ですから反論ばっちこいです。私と討論しようぜお嬢ちゃん、コメしていいよ。



＜今月のガンガン感想改め、星野桂への文句＞

　カチラの名前はもう伏せないんだＺＥ☆　それじゃあ行こうか。
　最初はさ、期待してたんだよ星野に。１話目は「あー、スクエニ系でやった方が良さそうな絵の新人だねー。なんでジャンプでやってんだろ」が正直なとこだったけど、３話目のマナアレで「こいつ……できる！」と思ったんだ。コミックスだってちゃんと買ってたんだ。人形編なんか「いいねこの薄暗い感じー」とも思ってたんだよマジで。でもねー……だんだん……なんか……。
　ついに見切りを付けたのは江戸編かな。私、サークル星野（身内での星野桂の呼び名。星野にそっくりな絵を描くアシさんがおまけページを描いていたため、「星野桂」はサークル名なんだよ、ということになっている）のつまんねーギャグにはだましだまし付き合ってこれたけど……（キャラ萌えで）

　ストーリー展開がつまんないとさ、いくら萌えがあったって嫌になるよね。

　私がこのサークル星野の漫画で何が一番気に入らないかっていうと、主人公サイドと敵サイドの戦力差と、そんな中でも絶対に欠けないメインキャラの存在。これがものすごーく気になって、ほんとイライラする。
　灰色男っていう漫画は、最初から圧倒的に伯爵サイド優勢じゃないですか。常に劣勢でもあがき続ける人間側、というのを星野（もしくは編集）はやりたかったんでしょうが、次第に戦力差の開きが大きくなってきた。
　もちろん人間側が不利なままで。
　これだけ、これだけですよ？！　こんなに戦力差があるのに、圧倒的に敵側が強いという描写がされてるのに、味方はモブキャラが死ぬだけですよ？　戦いの渦中にいるメインキャラはぼろぼろになるだけなんですよ？　これってさ、おかしくない？！　作者のキャラ贔屓って言ったっていいでしょう？！　しかも、これが「戦争」だあ？　ちょっと星野、全世界の兵士さん達に謝ってこい。負傷者を撤退させないで何が戦争だ。バトルヒロインからヒロインという名の足手纏いに降格した負傷者は、すぐに前線から撤退させなさい。え、日本はAKUMAの巣で安全なところがない？　日本人数％？　馬鹿野郎、お前が思いつきでんな設定作るから悪いんだ。その数％の日本人もどこにいるんだよ。どうしてるんだよ。なんで生きていられるんだよ。なんで神田は「日本人」名乗れるんだよ。なんで日本文化が存在してるんだよ。
　そんなに主人公サイドを不利にしようと画策するくせに、どうして死人の一人もでないんだよ。普通出るだろ、おかしいだろ。　あそこで神田とクロウリー死んでたら褒めてあげたのに（ファンの人ごめん。感情を切り離して冷徹に展開というものを考えると、私はこう思うんだ）なのに復活しやがって……。全体では不利なのに、局地的には主人公サイドが勝つっていう構図、いい加減そろそろどうにかしてくれないかな。たまには負けろ。勝負に負けて、試合にも負けろ。その後で盛り返せ。優勢に立つんだ！

　他にも突っ込みたいとこがいくつかあります。まず、合体AKUMA。
　合体すんな。質より量だろ普通。数で押せ数で。現代戦だって物量で勝敗決まるんだから。AKUMAだけでエクソシストの一人でもぶっ殺してみろよそろそろ。なんでAKUMA相手だと毎回エクソシスト側が勝ってるんだよ。え、展開の都合……？　はいはいそうですかそうですよね、ジャンプですもんねー。

　それと、神田の急激なレベルアップ。お前いきなり強くなりすぎ。合体AKUMA一刀両断とか、ないから。インフレどうにかしなさい。

　方舟の設定。これ、ものすごく失敗な後付け設定だと思う……。こんなんあるならなんで一巻以前に教団壊滅してないんだよ、ていう話になるじゃないか。味方側にも与えて戦力埋めたつもりか星野？　あめーよ、ゲロ甘だよ。アメリカの蛍光色ケーキくらい甘いよ。ちっとも足らないんだよ。教団もさ、なんで伯爵側の方舟もっと警戒しておかないんだ。とっとと旧方舟に教団の設備移しとけよ。時間がなかった？　ならそうしようとしている描写をもっとしろ。最低限、卵とエクソシスト全員を移送しとけ。え、設備動かすのに必要な電力が方舟内にはない？　そこはお前のお得意設定「仮想19世紀末」（笑）の錬金術でなんとかしな。

　最後に。
　……星野お前さあ、「仮想」だからって、技術レベルおかしすぎるだろ……？　19世紀末じゃないよいくらなんでも。仮想とはいえ、もうちょっとどうにかしようよ。



　……ふう。あーすっきりした。ほとんど言い尽くしたな星野への文句。姉上は星野嫌いなのに灰色男サイトやってるから、こういう文句を言えなくて大変だねほんと。この前姉上が帰ってきた時に、彼女と灰色男で色々語り合ったおかげで、今日の文句がまとまってます。姉上の意見参考にさせてもらいました。ありがとう。
　灰色男とマテパを比較して、「だからマテパ（土塚先生）はすごい！！」っていうのもやりたいんですが、それは次の機会に。