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みなさん本年度のエイプリルフールはいかがでしたでしょうか。いろんなサイトさんでいろんなネタをやってらしゃいましたねー。わたしは円谷プロダクションがまた本気出してたのに笑いました。

さて、当サイトではまた性懲りも無く【土塚サイトに鞍替え】の嘘でした。数年前からいらっしゃっている方は「またかよ…」と呟いたかもしれませんね。4/1に初めていらっしゃった方はごめんなさい。ブログまでわざわざ新しく借りましたからね、ほんと紛らわしかったらすみませんでした。

だって土塚先生愛してるんだもん、仕方ないでしょ…!

ちなみに嘘サイト名の【PERSONA RIP】はアナグラムです。これはパッと見わかりやすい気がしたんですがどうだったでしょうか。嘘管理人名【挨空】は同じくアナグラムと翻訳を駆使しました。
(ほこりそら=Khaki Air→hikari ka=光か=ray or→ryora=綾羅)
という変遷です。嘘サイトのメニューページにも反転で書いておいたので気づいた人も多かったのではないでしょうか。
あと、ちゃんとブログにも「※これはエイプリルフールネタです。本気にしないで下さい。※」って書きましたからね! 嘘じゃないよ!



ただし反転だけどな!
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【03/10 ほととぎす様】
昌浩、ついにカミングアウト!≫
ああっ、ものすごい期待されている……!(笑)すみません、もうちょい引っ張ります。でもじい様にのみ話したってことで…作中人物にのみカミングアウトしたことになりますね! 閲覧者にはまだ当分ノンカミングアウト状態です! ごめんなさい!

【03/26 ほととぎすの友様】
続きが気になるような小説でした。 ≫
面白い、と言って下さることが何よりの励みになります。誠にありがとうございます。書いてる本人は「伏線ここで入れて……どこでばらそう……心情変遷めんどい…特に騰蛇さん……」とかぶつぶつ言いながら必死こいてます。いやほんと騰蛇さんめんどいんですけどこの男…! 「面白くねー」と言われないような展開に頑張ってしていきますね!
今日は何の日でしょう?
というわけで更新しました。
先にブログ見ちゃった方はサイトの方へよろしくお願いいたします。 
長編・朧月夜、第七章(3)を更新しました。

先に謝っておきます。
前回「ついに紅蓮がデレた!」と喜んだ方々、ごめんなさい。
これが今の紅蓮のデレの精一杯です。(一応デレのつもりで書きました)

 ぞっと背筋が冷えていくのを、紅蓮は止められなかった。 
 そうではない。
 自分が言いたいことは、そうではないのだ。

 人と同じ肉体を持つという、ただその一点が、紅蓮にとっては重要な懸案なのだ。

 だが紅蓮の想いとは裏腹に、子どもは言の葉を連ねていく。
 紅蓮の聞きたくない言の葉を紡いでいく。

「俺の体がどちらに属するものなのかは分からない。俺は中途半端で、できそこないだから、もしかしたら本当に異形のものじゃないのかもしれない。けどさ、俺は晴明の式なんだ。だったら、そういう風に扱ってくれればいい。俺が人か妖かなんて、みんなが考えなくてもいい」

 紅蓮以外の十二神将だったら、今の言葉で納得したかもしれない。
 けれど紅蓮は違った。彼だけが恐れを伴って、昌浩の言葉を受け止めていた。
 彼らを生み出した人という存在を、紅蓮は傷付けた。紅蓮だけが、血塗れの咎を背負い、その両手を鮮血に染め上げた。
 紅蓮は人の肉の柔らかさを知っている。
 そして昌浩は、その脆い肉体で生きているのだ。
 妖であれば、神将が傷つけたとしても何ら問題はない。だがその体は人そのものだ。妖力を宿す故に無意識に妖として扱い、もし、何かの拍子に彼に害を成してしまったら――
 あの厭な感触を、紅蓮はまた心に刻まなければならない。
 そんな危険な存在の近くにいることなど、彼は耐えられなかった。

 みるみるうちに眉間に皺を寄せていく紅蓮を、昌浩はじっと見上げていた。そうしてから、ふっと笑みを深めた。
 この少年がよく見せる笑い方だった。
「俺の望みはさ、騰蛇」
 訝しげに見下ろす紅蓮に、昌浩はずっと笑顔を向けていた。
「好きなひとを守ることなんだ」
「……それが、どうしたというんだ」
「うん、だからね」
 昌浩は大きく息を吸って、続けた。
「俺、騰蛇が好きだよ」
 一瞬、紅蓮は何を言われたのか分からなかった。
 すぐに息が詰まって喉が痛くなる。しばらく呼吸を止めていたことに気付いて、彼は慌てて胸郭を上下させた。次いで、あっと言う間に混乱の坩堝に放り込まれた思考を必死で動かそうとする。
 この子どもは今、なんと言った。
 呆然と見下ろすことしかできない最強の十二神将を、できそこないと呼ばれた天狐は笑って見つめている。 ――その腕を、彼が気絶している間にへし折ったのは紅蓮だというのに。
 何も知らないままで。
「俺は晴明が大事だし、好きだよ。彼の家族も、彼が従えている十二神将も、きっと好きになれるだろうなって思ってた。実際、みんないい奴ばかりだったしね。
けど、騰蛇はさ、」
 彼は夕陽にうっすらと頬を染めて、はにかんだ。
「俺が死のうと思ってた時に助けてくれたから」
「……なんだと?」
「凌壽に捕まった時、騰蛇が助けてくれただろう?」
 紅蓮は二人が初めて会った時の、満月の晩を思い返した。この天狐は紅蓮と勾陳に忠告を寄越して、現れた凌壽に戦いを挑んだのだ。
 そして圧倒的な力の差に敗れて、首を絞められていた。
 その窮地を救ったのは、確かに――紅蓮だった。
「本当はあの時相討ちするつもりだったんだ。死ぬのは今だって、そう確信してた。でも、騰蛇が助けてくれた。
 俺の命を拾ってくれたのは、騰蛇なんだ」
 てらいのない笑顔はどこまでも澄んでいた。疑念を差し挟む余地すらなかった。
 この天狐が、昌浩が、本気でそう思っているのだと確信してしまった。
 まるで足下が喪失するかのような戸惑いを覚え、さらに戸惑っているという事実に狼狽し、紅蓮は薄ら寒くなる背筋と必死で戦った。
 天狐を助けたのはあくまで利己的な理由で、それ以外に答えなど存在しない。彼をただ利用しようという考えだけであの時炎蛇を放ったのだ。だから礼を言われる筋合いなどないはずだった――こんな風に笑顔を向けられる理由など、どこにもあるはずがないのだった。
 だのに昌浩は素直な好意をまっすぐにぶつけてくる。
 愚かな奴だと嘲笑うことは簡単なはずなのに、それもできない。なぜなら紅蓮は気付いてしまったからだ。彼がどこまでも純粋に感謝の念を示しているのだと、紅蓮はもう、気付いてしまった。
 気付いてしまえば、否定することはできなかった。

 昌浩はまた身を屈めて、釣瓶から左脚へとぞんざいに水をかけた。適当に血を拭って、元通りに布を巻く。ついでに埃っぽくなった顔も拭ってさっぱりとすると、残った水を地面にあけて立ち上がった。
 戦いで乱れていた髪を解いて、再び結う。随分綻びた古い髪紐を、彼は時間をかけて切れないように丁寧に扱っていた。
 慣れた様子できちんと結び終え、昌浩は傷の感触を確かめるように左脚の爪先で地面を突っつく。活力の満ちた黒瞳が覗き、紅蓮にひらひらと手を振った。
「晴明に話さなきゃいけないことがあるから、行ってくるね」
 長い尻尾のような黒髪を翻して、昌浩はそれっきり、振り返りもしないで屋敷に走っていく。
 紅蓮は己の両手を見下ろした。
 五十年前に人の血を啜った両手は、とっくに乾いているはずだった。
 けれど太陽は残酷に、彼の手を染め上げているのだった。

◆◆◆

 勢いそのままに高欄に飛びついて、よいしょと体を引き上げる。屋敷の廊から晴明を訪ねることはなんとなくはばかられて、昌浩は簀子から妻戸に近づいた。
 周囲に神将の気配はない。
「晴明、いいですか」
「入りなさい」
 誘われ、昌浩はするりと妻戸を開けた。
 暮れかけた夕陽は部屋の中まで差し込まない。大禍時に入ってしばらく経つ。燈台にはすでに火が入り、辺りを照らし出していた。
 昌浩の主は狩衣こそ身に着けてはいなかったが、袴を穿いて袿を羽織っている。きちんとした身なりで脇息に凭れ、穏やかな顔で円座に座っていた。
 離れたところにちょこんと正座すると、手招きをされた。おそるおそる、晴明の手が届く範囲までにじり寄る。と、彼はやっと悦に入った笑みを浮かべた。
「何用かな」
「……あの、」
 一瞬、昌浩は言葉に詰まった。
「……ほんとは話さなくちゃいけないことがあったのに、黙っていてすみませんでした。どうしても、話したく…なくって」
 申し訳ありませんでしたと頭を下げる。面を上げたその瞬間、その額がぱちんと指弾された。
 ぽかんと口を開けて思わず額を押さえた昌浩に、晴明は好々爺然として声をかけた。
「これが罰じゃ」
「――これだけですか」
「いいや。後は理由を聞かねばならんのう。そのつもりで来たのじゃろ?」
 大人しく頷いた昌浩を促して、円座に座らせる。きっと長い話になるのだろうと、稀代の陰陽師は感づいていた。
 そしてやはり、その予感は外れることがないのだった。
 昌浩は姿勢を正すと、真剣な眼差しを晴明に据えた。
「俺は」
 短く息を吸う。
「凌壽が嫌いです」
 その言葉に、晴明は意表を突かれたようだった。
「あいつの事を口に出すのも嫌だし、思い出すのも嫌です。直接会ったり話すのはもっと嫌です。俺が話さなかったのは、――言いたくなかったのは、それが凌壽に深く関係する事だったから、です」
 矢継ぎ早に昌浩が言葉を紡ぐのを、晴明はただ静観していた。彼の指が自身の首元に伸びていくのもただ黙って見つめていた。
 包帯が引き剥がされ、その下に隠れていた傷痕が姿を見せる。
 真一文字に刻まれた薄桃色の傷痕は、細い首を半周して、薄い皮膚を晒していた。
 つつけば今にも血を吹き出しそうな、頼りないひきつれた皮膚だった。

「八十三年前、俺は凌壽に殺されました」

 落とされた告白を、晴明だけが耳にしていた。
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